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TOMAS CUP 2010 フジサンケイジュニアゴルフ選手権

TOMAS CUP 2010 フジサンケイジュニアゴルフ選手権

大会レポート

ジュニアゴルフの真夏の祭典「TOMAS CUP 2010フジサンケイジュニアゴルフ選手権」が 10日から2日間、埼玉・飯能グリーンCC(7018ヤード、パー72)で、約100人が参加して開催された。

 

8月9日:指定練習日、選手登録回&ウエルカムパーティー

倉本プロがジュニアゴルファーに金言

 ジュニアゴルフの真夏の祭典「TOMAS CUP 2010 フジサンケイジュニアゴルフ選手権」は10日から2日間、埼玉・飯能グリーンCC(7018ヤード、パー72)で開幕。昨年、大会史上初の中学生優勝を果たした副田(そえだ)裕斗(16)=茨城・鹿島学園1年=が、今年は高校生として初めてのタイトル獲りに挑む。

 男子ゴルフの永久シード保持者、倉本昌弘(54)を招いて選手登録会&ウエルカムパーティーが9日、開催された。
 倉本は「君たちはわれわれの宝です。この中から何人がダイヤモンドになるかわかりませんが、頑張っていってほしい」とエール。

 また、スコア至上主義になっているジュニアゴルフ界には「ゴルフはいろんな楽しみ方がある。ゴルファーとしてすばらしい人間になっていってほしい」と指摘。約100人のジュニアゴルファーに問いかけた。

8月10日大会第1日目

副田、連覇へ67首位発進

TOMAS CUP 2010 フジサンケイジュニアゴルフ選手権第1日(10日、埼玉・飯能グリーンCC=7018ヤード、パー72)前年王者の副田が5アンダーの67で回り、単独首位と好発進した。

 11番(パー5)では、残り255ヤードを3Wでピンそば50センチにつけるイーグル奪取。「振る欲望を抑えています。今年も勝ちたい」とニヤリ。

 高校生となり、飛距離ではなくコースマネジメントを徹底、昨年大会から3ラウンド連続で60台をたたき出した。昨年の通算9アンダー超えをもくろみ、大会史上3人目の連覇へ突き進む。

木村翔、悔しい85

TOMAS CUP 2010 フジサンケイジュニアゴルフ選手権第1日(10日、埼玉・飯能グリーンCC=7018ヤード、パー72)女子プロゴルファー・木村敏美(41)の長男・翔(埼玉栄高1年)は85で初日を終え、「飛距離も出ないし、ショットがさんざんだった…」と残念そう。

 ただ、1番(パー4)では「昨夜、お母さんに教えてもらった」というパッティングで8メートルをねじこみ、この日唯一のバーディーを記録。上達の手応えも感じた。最終日は「70台を出したい」と自己ベスト更新を狙う。

阿久津、絶対リベンジ

 ライバルの好プレーが阿久津のハートに火をつける。

 パッティングに苦しみ、イーブンで迎えた15番。1組後ろで回る前年覇者の副田とすれ違い、スコアを聞いた。
 「4アンダーというので、ホールアウト時は5アンダーに伸ばすだろうと…。やばい! と思って焦りましたよ。それから気合が入りました」

 197ヤードある難しい16番(パー3)で、4メートルの難しいスライスラインを沈めると、17、18番も見事に3連続バーディーでフィニッシュ。

 「最後の3ホールは全部ガッツでとったバーディーです」と苦笑いしながら、予想通りトップに立った副田を、しっかり2打差の射程圏におさめてみせた。中学生だった昨年は、初日の3打差を縮められずに悔しい2位だった。高校生の間に入っての堂々たる成績だったが、負けた相手が同学年では悔しさも募る。「高校生になった今回は優勝」と目標を明言している。

 地元の作新学院高に入学して、1学期が終わったばかり。
 「何よりも中学と高校とではレベルが全然違うので、1つのミスが順位に大きく響く」と、環境の変化に刺激を受け、対応し、さらにひと皮むけようとしている最中だ。

 「自分のスコアを分析して、ティーショットの精度を最優先にプレーするようにしています。飛距離は20ヤードぐらい落ちて270ヤード弱ぐらいだけど、今はそれでいい」
 その分、グリーン上での集中力が増し、先月29日の「関東ジュニア選手権」では初の高校タイトル獲得。進化の方向性に自信を深めている。

 1メートル79の長身で、1年前はひょろりとした印象だったが、体重が7キロ増の68キロとなり、肩幅もがっちり。「狙うのはもちろん優勝」。気持ちもたくましさを増し、リベンジを期している。

8月10日・ジュニアドラコン日本一決定戦結果

森、史上初ドラコン連覇

 大トリで出てきた怪物が、『ドラコン覇者』のプレッシャーを吹き飛ばした。

 森が振り抜いた一撃は、たれ込めた雲に届くかのように、空中を突き抜けた。記録は306ヤード。それまでトップの副田を4ヤード上回り、自身が初優勝した07年以来の300ヤード超えで、2年連続3度目のドラコン王者に輝いた。

「連覇のプレッシャーもあったし、緊張しました。当たりは良かったので、うれしいです」

 今大会は、所属する正智深谷高ゴルフ部の合宿と重なったが、合宿を休んでまで出場したのは、『ドラコン』という4文字へのこだわりだった。
 森が8歳のとき、プロの豪快なショットがきっかけでゴルフにはまった。そこから飛ばしの魅力にとりつかれた。

「何で飛ぶのか分からない」

 自身でさえも飛ばしの秘訣(ひけつ)が分からなかった。毎日2時間の練習でも1Wを握るのは50球ほどだが、今年1月には、前回優勝時の相棒だったエース1Wのヘッドにひびが入ったほど。怪力ぶりは両親からもらった天性のものだった。

 実は今年2月、父の秀樹さん(享年48歳)が急死。「乗り越えていかないといけない。ゴルフの姿勢も変わりました」。ゴルフはかじった程度だったが、精神面などのアドバイスをくれ、時には怒ってくれる存在を亡くした。

 自らを律するのは自分しかいない。昨年は90キロ近くあった体重を、今年4月の合宿で8キロ近く落とした。スイングも早く振るのではなく、リズムよく大きな弧を描くイメージに。

 高校最後の夏、次のターゲットは首位の副田に4打差の1アンダー、9位発進した大会優勝だ。

「最後まであきらめないで、あしたも頑張りたい」
 天国の父との二人三脚で大逆転を目指し、地元・埼玉に大輪の花を咲かせてみせる。

8月11日・最終日

阿久津、リベンジV達成!!

 不気味に雷鳴をとどろかせる真っ黒な雲を割って、真夏の日差しがグリーンを照らす。

 1ホール目で前年覇者の副田が敗退したプレーオフは、18番(パー5)を繰り返して4ホール目に突入。

 阿久津は難しい2メートルの下りスライスラインを読み切ってバーディー。
 2年上の先輩・須藤がバーディーパットを外し、激闘に終止符を打った。

 「初めてのプレーオフは、その前の18ホールよりもずっと長く感じました。
 独特の緊張感があったので、優勝が決まった瞬間、無意識にガッツポーズが出てしまった」

 他の選手からペットボトルの水を、パンツが透けるほど浴びせられた阿久津は、絶叫を挙げながら身もだえてリベンジの喜びに浸った。
 この日も優勝を争った同学年の副田に、昨年は3打差2位と敗れ、悔しさを味わった。

 その大会後、ゴルフ部の強い各地の高校から特待生の誘いが舞い込んだが、進路は地元の作新学院高に決めた。
 阿久津は「ゴルフだけじゃなく文武両道を目指したい」と、他校の特進コースにあたる英進部に受験を経て入学。
「勉強は勉強、ゴルフはゴルフ」とメリハリをつけた生活を自らに課した。

 ゴルフの練習では高校の部活動以外に、毎朝5時半に起きて近くのスイミングスクールへ通い、通学前に柔軟性を高めるストレッチを習うなど、技術面以外にも工夫をこらした。

 級友から「ゴルファー」の愛称で呼ばれているという学校でも、7月の校内テストは「クラスでトップ。230人の英進部内では50番ぐらい。ちょっと頑張りすぎちゃいました」と笑う。
「新聞を見たクラスメートもメールで応援してくれるのでうれしい」と新鮮な刺激になっている。

 文武両道、最後まであきらめない気持ちをこの日も発揮。優勝戦線から脱落しかけた16番ボギーの後、「まだ終わっていない」としっかり前を向き17、18番の連続バーディーで首位に追いつく驚異の粘りを見せた。

 「今年のフジサンケイはマンデー、来年は本戦。プロの試合に出るのは楽しみですね」

 成長著しい15歳は、1つ上のステージでまた何かを学び取る。

須藤裕太、胸張れる2位

  8メートルのバーディーパットが入らず、須藤が天を仰いだ。

 4ホールまでもつれ込んだプレーオフ。悲願のタイトル奪取はならなかった。
 「せっかくのプレーオフ。後輩2人と楽しんでやりました」

 作新学院高の後輩、阿久津とはこれまで2度一緒に回って負けたことがなかった。
 18番(パー5)を繰り返したプレーオフ4ホール目の第3打、得意距離の133ヤードを9Iで放ったボールはわずかにピンをショート。

 「疲れて飛ばなかった」。体力も精神も限界だった。

 山梨市出身の須藤は、ゴルフを始めた10歳から女子ツアーの「フジサンケイレディス」や、男子ツアーの「フジサンケイクラシック」を見て育った。この大会優勝者はフジサンケイクラシック出場権を得る。山梨で唯一行われるプロの試合に出場したかった。

 首位に3打差の7位からスタート。「あまりない」と振り返るバーディー7個(2ボギー)の猛チャージ。今年はゴルフ部主将としての重責も担い、走り込みなどのトレーニングも率先してやってきた。

 本戦出場権は獲得できなかったが、来年のマンデートーナメント出場権を手に入れた。やりきった須藤は、母の運転する車で今年初めて故郷に帰った。

 家族にいい報告をした17歳は、「応援してくれている家族に恩返ししたかった」。早くも来年へ思いをはせた。

副田、連覇ならず

 TOMAS CUP 2010 フジサンケイジュニアゴルフ選手権最終日(11日、埼玉・飯能グリーンCC、7018ヤード、パー72) 連覇を狙い首位から出た副田は、プレーオフ1ホール目の第2打でグリーン右に大きく外して敗れた。

 「阿久津がいいところにつけたので、狙っていったらやっちゃいました。悔しいです」と表情を曇らせたが、 ライバルの阿久津が優勝を飾ると、率先して祝福の水をかけていた。

 前年優勝者として、来月には男子ツアーの「フジサンケイクラシック」(9月2-5日、山梨・富士桜CC)本戦出場が控える。
 「まだ、ゲームでしか回ったことがないんです。楽しみです」とワクワクしていた。

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